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今月の主題 子宮頸癌の予防と検査 話題
子宮がん検診とHPVに関する検討委員会の活動―「子宮頸がん検診とHPV Q&A集」を刊行して
著者: 藏本博行1
所属機関: 1神奈川県予防医学協会婦人検診部
ページ範囲:P.1458 - P.1463
文献購入ページに移動日本細胞診断学推進協会は,細胞診専門医と細胞検査士を会員とする細胞診断の専門家からなる団体である.細胞診,ことに子宮頸部の細胞診を用いてなされる子宮がん検診を診断している専門集団であるとも言える.
2007年当時,協会では子宮頸がん検診を取り巻く環境が激変期にあると判断された.
1) 子宮頸がん検診の対象年齢と受診間隔が20歳から,2年ごととなった.
2) 細胞診断の報告様式としてベセスダシステムが欧米で推奨され,わが国でもこれに準じた導入の動きがある.
3) 細胞診の精度向上のため,液状検体を基とした処理法(liquid-based cytology;LBC)がアメリカで多用されている.
4) 子宮頸癌の発癌にヒトパピローマウイルス(human papillomavirus;HPV)が関与している.
5) HPVワクチンが開発され,このワクチンで子宮頸癌を一次予防できる可能性がある.
これらの新しい方法が次々とわが国に導入されるのは必至であろう.これまでのわれわれの業務は大きく様変わりするのか,あるいは頸部細胞診を用いた子宮頸がん検診は役目を終えてしまうのであろうか.われわれ細胞診断の専門家にとっては無視できない,気になることであった.
そこで,これらの諸問題を検討して最適の知見と対策法を会員に啓発する目的で「子宮がん検診とヒトパピローマウイルス(HPV)に関する検討委員会」が発足した.
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