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文献詳細

雑誌文献

臨床検査55巻13号

2011年12月発行

文献概要

今月の主題 骨疾患 各論

骨感染症の病態と検査

著者: 里見和彦1

所属機関: 1久我山病院整形外科

ページ範囲:P.1541 - P.1545

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骨の感染症は発熱,局所の発赤,腫脹などの典型的な症状を呈すが,稀な疾患であるため,見逃されたり不適切に治療される例が少なくない.幼小児発生例では,成長に伴い骨や関節変形の原因となる.また,近年は抗菌薬に対する多剤耐性菌の出現や医療の進歩に伴う免疫不全宿主の増加などにより,難治性感染症が増加している.診断の基本は,臨床症状と赤沈値やCRP値の上昇などの炎症所見であるが,不適切な初期治療により炎症所見が軽度であると診断に難渋する.また,単純X線像では,ごく初期には骨変化を示さないので注意が必要である.

参考文献

1) 日本整形外科学会:骨・関節術後感染予防ガイドライン,南江堂,2006
2) 辜文成,里見和彦,宮坂芳郎,他:MRSAによる難治性脊椎炎の3例.骨関節感染症 9:49-52,1995
3) 日下達夫,里見和彦,石井良章,他:化膿性脊椎炎に伴った腸腰筋膿瘍に対する保存治療の経験.日骨関節感染研会誌 14:109-115,2000
4) 骨・関節術後感染対策ハンドブック(勝呂徹,里見和彦編),南江堂,2010
5) 鳥巣岳彦:骨,関節,筋肉の感染症.標準整形外科学 第8版(石井清一,平澤泰介監修),医学書院,pp168-186,1992
6) 稲田成作,工藤文孝,森脇孝博,他:乳幼児化膿性肘関節炎の1歳男児例.日骨関節感染会誌 20:35-38,2006
7) 森脇孝博,市村正一,里見和彦:アトピー性皮膚炎から発症した化膿性仙腸関節炎の1例.日骨関節感染会誌 20:105-108,2006
8) 高橋雅人,里見和彦,杉原繁明,他:急性麻痺を呈したカンジダ胸椎炎の1例.日骨関節感染研会誌 12:99-103,1998
9) 里見和彦,大谷清,満足俊一,他:化膿性脊椎炎の経験.臨整外 15:594-600,1980
10) 里見和彦:化膿性脊椎炎の診断と治療.リウマチ科 33:607-612,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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