文献詳細
文献概要
今月の主題 骨疾患 話題
骨疾患の画像
著者: 土谷一晃1 関口昌之1
所属機関: 1東邦大学医学部整形外科
ページ範囲:P.1554 - P.1560
文献購入ページに移動1.はじめに
近年,整形外科疾患の治療成績は著しく向上しているが,診断や治療において,画像診断技術の進歩が大きく寄与している.
骨・関節疾患における画像診断は単純X線検査を基本とし,必要に応じCTやMR画像などの検査が施行されている.
単純X線検査が主な診断の手段であった時代は,撮影方向を工夫した特殊撮影やストレス撮影,関節造影などが行われてきたが,CTやMR画像などの画像検査法の登場によって,より正確に病態を把握することが可能となり,患者側にとっても身体的負担が軽減されている.関節疾患では,MR画像で半月板損傷や軟骨損傷,靱帯損傷などを正確に診断でき,経静脈性に撮影して得られる造影3D-CT画像は,骨疾患と血管や周囲組織との位置関係などを詳細に把握でき,関節造影や血管造影に代わる検査法となってきている.
骨の外傷,関節疾患,脊椎疾患や悪性骨腫瘍などの診断に際しては,単純X線検査を基本とし,各検査法の長所を理解し臨床応用することで,診断精度を高め,より適正な治療計画を立てることができる(表1).
本稿では,各画像検査法の特徴や診断の実際について述べる.
近年,整形外科疾患の治療成績は著しく向上しているが,診断や治療において,画像診断技術の進歩が大きく寄与している.
骨・関節疾患における画像診断は単純X線検査を基本とし,必要に応じCTやMR画像などの検査が施行されている.
単純X線検査が主な診断の手段であった時代は,撮影方向を工夫した特殊撮影やストレス撮影,関節造影などが行われてきたが,CTやMR画像などの画像検査法の登場によって,より正確に病態を把握することが可能となり,患者側にとっても身体的負担が軽減されている.関節疾患では,MR画像で半月板損傷や軟骨損傷,靱帯損傷などを正確に診断でき,経静脈性に撮影して得られる造影3D-CT画像は,骨疾患と血管や周囲組織との位置関係などを詳細に把握でき,関節造影や血管造影に代わる検査法となってきている.
骨の外傷,関節疾患,脊椎疾患や悪性骨腫瘍などの診断に際しては,単純X線検査を基本とし,各検査法の長所を理解し臨床応用することで,診断精度を高め,より適正な治療計画を立てることができる(表1).
本稿では,各画像検査法の特徴や診断の実際について述べる.
参考文献
1) 土谷一晃:骨軟部腫瘍に対する3D-CT画像診断.骨・関節・靱帯 20:107-117,2007
2) 標準整形外科学 第11版(内田淳正編),医学書院,2011
3) 森岡秀夫,鈴木禎寿,西本和正,他:悪性骨・軟部腫瘍の化学療法効果判定におけるMRI拡散強調画像(DWI)の有用性.整形外科 61:802-807,2010
4) 渡辺淳也,大久保敏之,和田祐一,他:遅延相軟骨造影MRIおよびT2マッピングによる変性軟骨の質的評価.関節外科 27:116-123,2008
5) 佐藤孝久,落合信靖,松本恵,他:変形性膝関節症に対するMRIを用いた重症度評価法に基づく治療法の選択.関節外科 27:109-115,2008
6) Aoki J, Endo K, Watanabe H, et al : FDG-PET for evaluating musculoskeletal tumors : a review. J Orthop Sci 8:435-441,2003
7) Watanabe H, Inoue T, Shinozaki T, et al : PET imaging of musculoskeletal tumors with fluorine-18 alpha-methyltyrosine, comparison with fluorine-18 fluorodeoxyglucose PET. Eur J Nucl Med 27:1509-1517,2000
8) Polisson RP, Schoenberg OI, Fischman A, et al : Use of magnetic resonance imaging and positron emission tomography in the assessment of synovial volume and glucose metabolism in patients with rheumatoid arthritis. A Rheum 38:819-825,1995
9) 高木英希,土屋廣起,岩田久:関節リウマチ治療の効果判定におけるFDG-PETの応用.関節外科 27:361-366,2008
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