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文献詳細

雑誌文献

臨床検査55巻13号

2011年12月発行

文献概要

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あとがき

著者: 坂本穆彦

所属機関:

ページ範囲:P.1576 - P.1576

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 骨を含めた運動器に対して,最近日本整形外科学会はその障害を減らし,健康増進をはかるためのキャンペーンを開始した.高齢化社会をむかえたわが国では,平均寿命が男女とも80歳前後となっている.これに伴い,運動器に障害をかかえる患者数は大幅に増えつつあるという.生命に直接の影響を及ぼさない程度の障害が,長生きすればするほど体のあちこちに生じてくるのは自明のことであり,骨も例外ではない.

 運動器の働きのおかげでわれわれは,個々の位置を移動できる.運動を位置の移動の意味でとらえると,このことはヒトを含めた動物にとってのおおいなる特徴の1つを示していることになる.大雑把な言い方をすれば,植物は枯れてしまうまでずっと一か所にとどまり続ける.種がとんで他の場所で芽を出すのは,子孫についてのことである.それに対し,動物は自らの意思で存在しているところを自在に変更できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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