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文献詳細

雑誌文献

臨床検査55巻4号

2011年04月発行

文献概要

今月の主題 静脈血栓塞栓症と凝固制御因子プロテインS 話題

プロテインS定量測定法の経験と問題点

著者: 松原由美子1 村田満1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.399 - P.401

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1 . はじめに

 近年,日本における血栓症の罹患率・死亡率の高さは欧米同様,トップクラスに位置している.本特集のタイトルである静脈血栓塞栓症は,日本では欧米と異なり発症頻度が低いとされ,注目度は低かったが最近の調査研究などにより,患者数は増加傾向にあり,病態によっては欧米における罹患率に迫っているものもある1).このような背景の中で,静脈血栓塞栓症の発症や進展に重要な役割を演じているプロテインSに着目した研究成果が発信され,より有用性の高いマネージメントに向けて,プロテインS測定の重要性が示唆されている2)

 プロテインS活性や抗原量測定に関しては,トータルプロテインS抗原量測定,フリープロテインS抗原量測定,プロテインS活性測定が種々の方法で開発されている.本稿では,それらプロテインS測定値の実際について自験データを交えて概説したい.

参考文献

1) 平成21年度 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 血液凝固異常症に関する調査研究 総括・分担報告書
2) Lippi G, Franchini M:Pathogenesis of venous thromboembolism:when the cup runneth over. Semin Thromb Hemost 34:747-761,2008
3) Miyata T, Kimura R, Kokubo Y, et al:Genetic risk factors for deep vein thrombosis among Japanese:importance of protein S K196E mutation. Int J Hematol 83:217-223,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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