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今月の主題 静脈血栓塞栓症と凝固制御因子プロテインS 話題
加齢とプロテインS
著者: 宮田敏行1 岡本章2 小久保喜弘3
所属機関: 1国立循環器病研究センター分子病態部 2国立循環器病研究センター臨床検査部 3国立循環器病研究センター予防検診部
ページ範囲:P.407 - P.409
文献購入ページに移動プロテインSの血中抗原量や活性は,遺伝因子や環境因子により変動する.遺伝因子としてプロテインSの抗原量や活性に影響を与えるミスセンス変異やプロモータ領域の変異が挙げられる.環境因子として,年齢,性,ホルモン,妊娠,肝疾患,炎症が挙げられる.一方,プロテインSの抗凝固活性はC4BP結合型には見られず,C4BPに結合しない遊離型プロテインS(free protein S;fPS)が抗凝固活性を示す.プロテインS抗原量の測定は,総プロテインS(total protein S;tPS)抗原量およびC4BPに結合していないfPS抗原量が測定可能であり,fPS量がよりプロテインS抗凝固活性を反映すると考えられる.
本稿では,プロテインS抗原量および抗凝固活性の加齢による変動を中心に,これまでヨーロッパおよび本邦で行われた一般住民を対象にした研究の成果を紹介したい.
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