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今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 非腫瘍・4
脳出血のマクロ・ミクロ像
著者: 小松明男1 坂本穆彦2
所属機関: 1東京都保健医療公社多摩南部地域病院検査科 2杏林大学医学部付属病院病理部
ページ範囲:P.324 - P.325
文献購入ページに移動くも膜下出血がウィリス動脈輪付近の比較的大きな筋性動脈の破綻性出血でくも膜下腔への出血であるのに対し,脳内出血は小型血管の破綻性出血である.すなわち脳実質内の直径300μ以下の小型筋性動脈ないし細動脈の微小動脈瘤(Charcot-Bouchard microaneurysm)の破裂と考えられている.高血圧との関係が深く,約50%に高血圧を認め,逆に高血圧の死亡原因の15%が脳内出血である2).好発部位は,視床・被殻が殊に多いが大脳基底核領域(約65%),橋(約15%),小脳(約8%)である2).天幕切痕ヘルニア,側脳室穿破などの重篤な合併症がしばしば続発する.図2は高血圧症例の髄膜内の細動脈で,中膜に著明な硝子様変性がみられる.進行した高血圧症では全身の細動脈に硝子様変性が出現することが多い.
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