文献詳細
文献概要
今月の主題 アルコール依存症 話題
アルコールと睡眠障害およびうつ病との関係
著者: 内村直尚1
所属機関: 1久留米大学医学部神経精神医学講座
ページ範囲:P.1482 - P.1485
文献購入ページに移動1.はじめに
アルコールには中枢神経抑制作用があり,適量の飲酒は入眠を促進し,主観的な熟眠感を増す.そのためにアルコールは古くから睡眠薬としてよく用いられてきた.このことは今日でも変わりはないが,それはアルコールが容易に手に入るというだけではなく,睡眠薬を危険な薬とみなしている者が多いという理由にもよるであろう.
しかし,皮肉なことに不眠の解消を目的に用いていたアルコールが不眠の原因になっていることがある.特にアルコール依存に進展した例では,離脱期にひどい不眠を伴い,重篤な精神身体症状さえ出現する.離脱期を脱し,たとえその後断酒を続けることができても,長年にわたって不眠に悩まされているものが少なくない.こうしたアルコール関連の不眠の発現は決して珍しいことではないばかりか,常用飲酒は睡眠時無呼吸症候群や睡眠時異常行動を増悪させるなどの様々な睡眠の問題を起こしうる.
アルコールには中枢神経抑制作用があり,適量の飲酒は入眠を促進し,主観的な熟眠感を増す.そのためにアルコールは古くから睡眠薬としてよく用いられてきた.このことは今日でも変わりはないが,それはアルコールが容易に手に入るというだけではなく,睡眠薬を危険な薬とみなしている者が多いという理由にもよるであろう.
しかし,皮肉なことに不眠の解消を目的に用いていたアルコールが不眠の原因になっていることがある.特にアルコール依存に進展した例では,離脱期にひどい不眠を伴い,重篤な精神身体症状さえ出現する.離脱期を脱し,たとえその後断酒を続けることができても,長年にわたって不眠に悩まされているものが少なくない.こうしたアルコール関連の不眠の発現は決して珍しいことではないばかりか,常用飲酒は睡眠時無呼吸症候群や睡眠時異常行動を増悪させるなどの様々な睡眠の問題を起こしうる.
参考文献
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9) Ishibashi M, Nakazawa Y, Yokoyama T, et al : Cerebral atrophy and slow wave sleep of abstinent chronic alcoholics. Drug Alcohol Depend 19:325-332,1987
10) 内村直尚,中村 純,土山祐一郎,他:アルコール離脱せん妄に対するmianserin高用量投与の臨床効果.精神科治療学 9:477-484,1994
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