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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻3号

2012年03月発行

文献概要

今月の主題 尿路結石 各論 〈結石の臨床検査〉

尿検査

著者: 山口聡1

所属機関: 1北海道社会事業協会富良野病院泌尿器科・尿路結石治療センター

ページ範囲:P.261 - P.268

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尿路結石症は,疼痛や血尿といった症状だけではなく,時には重症な尿路感染症などの合併症にも関係することから,その初期診断や初期治療は極めて重要である.一方,尿路結石症は非常に再発しやすい疾患として知られ,並行して結石素因の解明と適切な再発予防対策が必須である.これらの観点から,「尿路結石症診療ガイドライン」において,尿検査を含む,多くの臨床検査の施行が推奨されている.尿路結石症の再発に対する尿検査の目的は,どのような結石やどのような患者の状態が再発を招きやすく,それに対してどのような対応をなすべきかを認識することにある.診断が適正に行われれば,尿路結石の再発に対する適切な指導と薬物療法につながる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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