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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻3号

2012年03月発行

文献概要

シリーズ-検査値異常と薬剤・23

―投与薬剤の臨床検査値への影響―感染症治療作用薬Ⅰ

著者: 米田孝司1 片山善章2 澁谷雪子3

所属機関: 1オリエンタル酵母工業株式会社長浜研究所 2神戸常盤大学保健科学部医療検査学科 3神戸常盤大学短期大学衛生技術学科

ページ範囲:P.320 - P.329

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はじめに

 抗菌薬は病原体に対して殺菌的または静菌的作用をもつ薬剤であり,構造や系統によって分類され,それぞれ代謝や適応菌種に特徴がある.表1に抗菌薬と適応菌種を記載する.

 古くから,直接的な薬物干渉としてセフェム系抗菌薬は還元反応を利用した尿糖測定やJaffe反応陽性物質を有する成分が含まれるとクレアチニン測定に偽陽性を示し,間接的な薬物干渉としてアミノグルコシド系およびセフェム系抗菌薬やバンコマイシンなどにより腎障害を認めるので注意が必要である1).したがって,症例によっては検査技師が医師や薬剤師と相談し,使用薬剤を変更することも多い.

参考文献

1) 米田孝司:臨床検査値への薬剤干渉.薬学生のための臨床化学,改定3版(後藤順一,片山善章編),南江堂,2010
2) Young DS : Effects of preanalytical variables on clinical laboratory tests, 3rd Edition, AACC Press, Washington DC,2007
3) 村井哲夫,土屋達行:臨床検査値と薬剤,南山堂,1996
4) 高木康:わかりやすい臨床検査,じほう,2000
5) 池田千恵子:薬剤師のための臨床検査の知識,じほう,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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