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今月の主題 感染症検査における境界値の取り扱い方 総論
感染症診療の基本的考え方
著者: 岩田敏1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部感染制御センター
ページ範囲:P.349 - P.353
文献購入ページに移動感染症診療において重要な基本的考え方とは,①患者の病態が感染症であるかどうかを適切に判断すること,②感染症であると判断した場合は,血液培養をはじめとする微生物学的検査を,抗菌薬が開始される前に必ず実施すること,③迅速診断や感染部位から予想される原因微生物に有効性の高い抗菌薬を選択し,十分な効果があると考えられる用法・用量で経験的治療を開始すること,⑤原因微生物に関する微生物学的検査の結果が判明した時点で,治療効果や治療内容を再評価し,可能であれば抗菌薬のde-escalationを行うこと,⑥個々の患者背景を踏まえた治療を行うこと,である.
参考文献
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