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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻4号

2012年04月発行

文献概要

今月の主題 感染症検査における境界値の取り扱い方 各論

感染症診断に必要な各種マーカーの臨床的意義と評価

著者: 長谷川美幸1 小林寅歹1

所属機関: 1東邦大学医学部看護学科感染制御学

ページ範囲:P.387 - P.391

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感染症診断の標準法は培養検査あるいは抗原検出による病原体の直接検出である.しかし,培養検査は微生物の発育までに時間を要し,発育が困難・不可能な病原体も多く,抗原の検出にも限界があるため抗体検出,遺伝子検出,検体の鏡見検査などが用いられている.今回は感染症診断を補助する前述以外の関連検査について述べる.CRP,PCTおよびサイトカインは病原体に反応し患者生体内で産生される蛋白質である.炎症性疾患のマーカーとなるが,単独の検査項目として感染症診断の確定にはいたらない.一方,エンドトキシンおよび1,3-β-D-グルカンは病原体の一部を検出する方法で,基準値以上を示す場合は,原因微生物をある程度推定することが可能である.いずれの項目においても患者の病態,病原体の検出を同時に行うことが正確な感染症診断に必須である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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