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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻4号

2012年04月発行

文献概要

今月の主題 感染症検査における境界値の取り扱い方 各論

感染症診療における遺伝子検査活用のコツとピットホール

著者: 大楠清文1 江崎孝行1

所属機関: 1岐阜大学大学院医学系研究科病原体制御学分野

ページ範囲:P.399 - P.405

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近年,感染症の診療において,遺伝子解析技術は分離菌株の迅速な菌種の同定のみならず,検体から直接,微量な病原体を検出・同定する際に追加の検査として利用されている.筆者らは,この約6年間継続して,全国の病院において日常検査法で診断できなかった830症例以上の臨床検体を精査してきた.本稿では,“どのような状況で遺伝子検査を活用するか”を把握してもらうべく,解析した代表的な症例の病態や病因診断までのプロセスを紹介しながら,遺伝子検査の活用のコツとピットホールについてまとめてみたい.遺伝子解析技術を用いた感染症の診断においても,臨床医との緊密なコミュニケーションにより得られた情報を熟慮しながら解析に当たることが重要であることを強調したい.

参考文献

1) 大楠清文,江崎孝行:遺伝子およびシグナル増幅法.臨と微生物 34:459-478,2007
2) 大楠清文,河村好章,江崎孝行:ゲノムベースの細菌検査の基礎.化療の領域 21:323-332,2005
3) 大楠清文,江崎孝行:感染症診断における遺伝子解析技術の適応.日臨微生物誌 18:163-176,2008
4) 大楠清文,江崎孝行:遺伝子解析技術の新たな潮流と感染制御への適応.日化療会誌 59:441-453,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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