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文献概要
今月の主題 感染症検査における境界値の取り扱い方 話題
VPDにおいて,発症予防のために推奨される抗体レベルとは
著者: 中山哲夫1
所属機関: 1北里生命科学研究所ウイルス感染制御学研究室
ページ範囲:P.417 - P.421
文献購入ページに移動1.はじめに
ワクチンの開発される前の1950年代には,百日咳,麻疹をはじめとした感染症により,毎年数万人の死亡例が報告されていた.1960~70年代にかけてワクチンが開発され,定期予防接種が始まった.ワクチンの普及により患者報告数は減少してきたが,自然感染の減少によりワクチン接種後にブースターを受ける機会が減少し,必ずしも小児の感染症ではなく,年長児,青少年,成人にも発症が認められるようになった.医療機関,学校などにおける感染症対策として新入生,新入職員の抗体検査を行うことが普及してきたが,本稿では,その評価について考察した.
ワクチンの開発される前の1950年代には,百日咳,麻疹をはじめとした感染症により,毎年数万人の死亡例が報告されていた.1960~70年代にかけてワクチンが開発され,定期予防接種が始まった.ワクチンの普及により患者報告数は減少してきたが,自然感染の減少によりワクチン接種後にブースターを受ける機会が減少し,必ずしも小児の感染症ではなく,年長児,青少年,成人にも発症が認められるようになった.医療機関,学校などにおける感染症対策として新入生,新入職員の抗体検査を行うことが普及してきたが,本稿では,その評価について考察した.
参考文献
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