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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻5号

2012年05月発行

文献概要

今月の主題 成長と臨床検査値 各論

小児期のIGF-Ⅰや性腺ホルモンの加齢変化

著者: 磯島豪1 横谷進2

所属機関: 1東京大学医学部小児科 2国立成育医療研究センター生体防御系内科部

ページ範囲:P.471 - P.475

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インスリン様成長因子(IGF)は,かつてソマトメジンとも呼ばれていたが,IGF-Ⅰ(ソマトメジンC)とIGF-Ⅱの2種類存在する.IGF-Ⅰは,乳児期から年齢とともに上昇し,思春期を迎え成長率が最も高い時期にピークをとった後に低下していく.IGF-Ⅱは1歳以降の濃度はほぼ一定である.性腺ホルモンでは,テストステロン,エストラジオールともに新生児期に高い時期があった後は,男女ともに思春期発来までは測定感度以下である.思春期の発来とともに,上昇して成人の値に達する.女性では,性周期が完成すると卵胞初期と排卵期をそれぞれ最低値と最高値とする月内変動がみられるようになる.

参考文献

1) 藤枝憲二,島津章,羽二生邦彦,他:IRMAキットを用いたIGF-I,IGF-II,IGFBP-3測定の臨床的検討(第2報)―小児期における検討.ホルモンと臨 44:1229-1239,1996
2) 島津章:LMS法を用いた日本人における性・年齢別のインスリン様成長因子(IG)-I血中濃度の基準範囲の設定.成長・代謝 2:4-6,2011
3) Frank BDJ, Barry BB : Normative laboratory results. In Pediatric Endocrinology : mechanism, manifestations, and management (Pescovitz OH, Eugster EA, eds), Lippincott Williams and Wilkins, Philadelphia,pp786-789,2004
4) 小児基準値研究班編:日本人小児の臨床検査値基準値,日本公衆衛生協会,1997
5) 大山建司:黄体形成ホルモン,卵胞刺激ホルモン,プロラクチンおよび性の異常を疑ったときの検査の進め方.小児内科 37(増刊):404-408,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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