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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻5号

2012年05月発行

文献概要

今月の主題 成長と臨床検査値 各論

臨床検査値からみた加齢に伴う血液の変遷

著者: 白幡聡1

所属機関: 1北九州八幡東病院

ページ範囲:P.491 - P.496

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多くの臨床検査値の中で血液検査値は新生児期から思春期にかけて加齢による変動が大きいものの一つである.特に新生児期は,母親の体の中ですべての栄養や酸素が与えられている寄生体の生活から一挙に母体外の自立生活に転換するため,短期間で大きな変化が起こる.例えば,赤血球系では出生後の急激な酸素分圧の上昇により赤血球造血因子であるエリスロポエチンの分泌がストップして諸因子が急速に減少していく.白血球は出生時のストレスによる末梢血への動員などで出生時に好中球が著増するが,1週間後には1/3に減少する.本稿では新生児期を中心に小児期の血液検査値の変遷とその臨床的意義を概説した.

参考文献

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ed, Appleton-Century-Crofts, New York,1977
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6) 白幡聡:胎児・新生児の止血機構の特徴.周産期の出血と血栓症―その基礎と臨床(鈴木重統監,小林隆夫,水上尚典,白幡聡編),金原出版,pp347-361,2004
7) 白幡聡:新生児の血液凝固・線溶・血小板の特徴.Neonatal Care 11:312-317,1998
8) 白幡聡:播種性血管内血液凝固症候群.小児科 48:1027-1036,2007
9) 白幡聡,伊藤進,高橋幸博,他:新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対するビタミンK製剤投与の改訂ガイドライン(修正版).日小児会誌 115:705-712,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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