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今月の主題 周産期の臨床検査 巻頭言
周産期の臨床検査
著者: 名取道也1
所属機関: 1国立成育医療研究センター研究所
ページ範囲:P.701 - P.702
文献購入ページに移動 医療に携わる人は,どのような職種であれ,健康に関する相談をもちかけられることが少なくないと思われる.自分の受けた健康診断の結果について,罹患した病気についてなど,むしろ専門外の質問に回答しなければならないようなことも少なくないであろう.とりわけ妊娠は多くの人にとり身近に存在する現象である.妊婦やその周囲の人たちから漠然とした不安や検査の結果についての相談を受けることもある.その時にいかに正しい情報を伝えるかは重要な問題である.世の中にはいまだに間違っているばかりか有害な話がまことしやかに流れ,信じられている.“妊婦はあまり水を飲んではいけない”などはその良い例であろう.私たちは自分の専門とする分野については常にアップデートされた知識をもっている必要があるのは当然のことである.
周産期に行われる臨床検査の対象は,妊娠中は母体と胎児であり,分娩後は母体と新生児となる.また母体も胎児/新生児も,多くの場合は健康診断のように,正常であることの確認や健康な状態から病的な状態へ変化する場合の早期発見を目的としている.しかし,いったん病的な状態に変化した場合には,急速に致命的な状況に達する場合もあり,通常の疾患とは異なる臨床像であることの理解が重要である.
周産期に行われる臨床検査の対象は,妊娠中は母体と胎児であり,分娩後は母体と新生児となる.また母体も胎児/新生児も,多くの場合は健康診断のように,正常であることの確認や健康な状態から病的な状態へ変化する場合の早期発見を目的としている.しかし,いったん病的な状態に変化した場合には,急速に致命的な状況に達する場合もあり,通常の疾患とは異なる臨床像であることの理解が重要である.
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