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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻7号

2012年07月発行

文献概要

今月の主題 周産期の臨床検査 各論

胎児超音波スクリーニングのポイント

著者: 谷垣伸治1 松島実穂1 片山素子1 宮崎典子1 橋本玲子2 岩下光利1

所属機関: 1杏林大学医学部産科婦人科学教室 2日野市立病院産婦人科

ページ範囲:P.731 - P.740

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胎児超音波検査は,発育の確認,形態異常の診断,well-beingの評価を目的とし,スクリーニング検査は,精査例を抽出する検査である.検査は,妊娠20週および30週前後の2回施行し,形態異常抽出の感度は,胎児計測に11項目を加えた観察項目で87.4%であった.その項目は,胎児発育遅延,頭部(頭蓋骨が丸くない,midline echo,10mmルール),胸部(心臓以外の低エコー領域),心臓(内臓錯位,心四腔断面像,3 vessel view),腹部(胃と膀胱以外の囊胞像,腹部周回長<-2SD),大腿骨長<-2SD,脊椎の凹凸,羊水量,単一臍帯動脈である.スクリーニング検査を行うには,精査の容易な受診とカウンセリング可能なシステムの構築,精査施設とスクリーニング施設間の密な情報交換が必須である.

参考文献

1) 特にリスクのない単胎妊婦の定期健康診査(定期健診)は? 産婦人科診療ガイドライン―産科編2008(日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会,編・監):pp1-5,2011
2) 日本超音波医学会:『超音波胎児計測の標準化と日本人の基準値』の公示について.超音波医学,30:J415-438,2003
3) 日本小児外科学会学術委員会:学術委員会報告.日小外会誌 35:1003-1004,1999
4) 田所望,渡辺博:よりよい妊娠管理を目指して―羊水過多(症),羊水過少(症)の管理.日本産科婦人科学会雑誌 51:N11-N14,1999
5) Cristina MP, Ana G, Inés T, et al : Perinatal results following the prenatal ultrasound diagnosis of single umbilical artery. Acta Obstet Gynecol Scand 84:1068-1074,2005
6) Manning FA, Platt LD, Sipos L : Antepartum fetal evaluation : development of a fetal biophysical profile. Am J Obstet Gynecol 136:787-795,1980
7) 柳下正人:胎児評価を考える―エコーによる胎児機能評価.日本産科婦人科学会雑誌 58:N182-N192,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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