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文献詳細

雑誌文献

臨床検査56巻8号

2012年08月発行

文献概要

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あとがき

著者: 伊藤喜久

所属機関:

ページ範囲:P.928 - P.928

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 今月の主題は,現代医療における重要課題の一つ多剤耐性菌です.検査システムの道筋は確立されており,MSによる迅速感受性試験など新しい自動検査法も取り入れながら,これからも早期の特異的な診断,予防,フォローの進展が期待されます.これらをサポートする国際的な報告基準の標準化,用語の定義などの周辺整備が待たれます.問題は治療で,今や世界中で臨床上criticalな多くの菌種が多剤耐性となり,有効な抗菌薬が枯渇し深刻な状況が続いています.

 随分以前の話ですがMRSAのアウトブレイクがあり,パルスフィールド電気泳動法で解析したところ,コントロールとして用いた6年前の保存株が起炎菌とまったく同一パターンを示し,本当に驚きました.全国各地の医療施設のどこかで毎日新たな抗菌クローンが誘導され医療環境に潜み,常在細菌叢を形成しながら保持され,日和見感染を引き起こし,地域から国,あるいは世界へと広がっている一端がうかがえました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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