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文献概要
今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
脳波の現状と今後の発展
著者: 古賀良彦1
所属機関: 1杏林大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.1070 - P.1076
文献購入ページに移動■脳波は,非襲侵性に加えて,測定機器が安価かつ操作も比較的容易であることから,多くの研究ならびに臨床で用いられてきた.最近の多チャンネル化をはじめとする機器の開発や解析法の発展により,他の脳機能画像に対する不利な点が克服され,再び幅広い応用が進められている.
■脳波はデジタル化し画像処理(マッピング)を行うことにより,さらに利便性が高くなった.
■LORETAは最も優れた脳波解析法のひとつである.本法はあらかじめ意図的に双極子数や位置の初期値の設定をする必要がない.操作は比較的容易であり,現在では低解像度ではなく精細な画像を得ることが可能である.
■高解像度脳波(high resolution EEG)は,脳の機能の局在と各部位の関連,そして障害の様態を明瞭に表す方法として,今後の応用が期待されている.
■脳波はデジタル化し画像処理(マッピング)を行うことにより,さらに利便性が高くなった.
■LORETAは最も優れた脳波解析法のひとつである.本法はあらかじめ意図的に双極子数や位置の初期値の設定をする必要がない.操作は比較的容易であり,現在では低解像度ではなく精細な画像を得ることが可能である.
■高解像度脳波(high resolution EEG)は,脳の機能の局在と各部位の関連,そして障害の様態を明瞭に表す方法として,今後の応用が期待されている.
参考文献
1)Kurita-Tashima S, Tobimatsu S, Nakayama-Hiromatsu M, et al:The neurophysiologic significance of frontal negativity in pattern-reversal visual-evoked potentials. Invest Ophthalmol Vis Sci 33:2423-2428,1992
2)長田乾:脳波トポグラフィと脳機能画像.脳波と筋電図 26:299-313,1998
3)古賀良彦:画像診断の原理と測定法─脳波トポグラフマッピング.精神科臨床における画像診断 臨床精神医学講座 S10巻(倉知正佳,松田博史編),中山書店,pp135-151,2000
4)古賀良彦:精神分裂病のERPによる研究.精神医学 41:916-28,1999
5)Sandmann P, Dillier N, Eichele T, et al:Visual activation of auditory cortex reflects maladaptive plasticity in cochlear implant users. Brain 135:555-568,2012
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8)ミユキ技研:Vol.9 研究のための高密度脳波計測の基礎知識,2012(http://www.miyuki-net.co.jp/jp/seminar/densearrayeeg/densearrayeeg.shtml)
9)Yamazaki M, Terrill M, Fujimoto A, et al:Integrating dense array EEG in the presurgical evaluation of temporal lobe epilepsy. ISRN Neurol 2012:924081,2012
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