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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻10号

2013年10月発行

文献概要

表紙の裏話

“がん”の形態学を分子の言葉で説明する

著者: 里見介史1 野口雅之1

所属機関: 1筑波大学医学医療系診断病理学

ページ範囲:P.1068 - P.1068

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 “がん”はなぜ治らないのだろうか? わが国では年間30万人以上,男性の4人に1人,女性の6人に1人はがんで亡くなる現状に,“がん”という言葉のもつ重みは誰もが知るところである.ただし,がんは臓器ごと,種類ごとに大きく特徴が異なり,これら多種多様ながんの最終診断は,現代でも光学顕微鏡を用いた病理医と臨床検査技師の“眼”による診断である.当研究室では,形態学こそががんの定義と捉え,現代までに蓄積された形態学的知見と分子生物学的基盤の融合を目指している.

 さて,教科書的にがん細胞とは,遺伝子に傷がつくことで,自律的な無制限増殖能を獲得した細胞と説明されているが,がん細胞の立場からは自らの生存と増殖に都合のよいように遺伝子を“改変”し,さらにはがん微小環境と呼ばれる特殊な宿主環境の構築や宿主応答の変化も巻き込むものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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