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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 一般検査

3 CPRの安定化剤を混入した蓄尿で,24時間C・Crの測定は可能ですか?

著者: 白井秀明1

所属機関: 1千葉労災病院中央検査部

ページ範囲:P.1194 - P.1195

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1.C-ペプチドとは

 C-ペプチド(CPR)は分子量3,617でインスリンの前駆物質であるプロインスリンの構成成分である.膵β細胞内でインスリン部分とC-ペプチド部分(アミノ酸31個)に分離されて血中に同程度の割合で放出される.尿中の排泄量は,血中CPRと高い相関を示し,インスリン投与やインスリン抗体またはプロインスリンの干渉を受けずに測定できる.尿CPR検査は,1日分ためておいた尿(蓄尿)を用いてCPRを測定し,1日排泄量を調べる.すなわち,血中CPR検査でわかるのが一時的なインスリン分泌量であるのに対し,尿中CPR検査は一定期間のインスリン分泌量を調べることができる.尿中CPR測定では,細菌汚染,蛋白分解酵素などの影響により分解・変性を受け低値に測定されるため,C-ペプチド安定化剤を使用する.

参考文献

1)小川郁代,明比祐子,中川内玲子,他:尿中C-ペプチド測定用の蓄尿時添加剤としての炭酸ナトリウム製剤の検討.糖尿病 46:919-924,2003
2)堀内裕次,増渕純一,田中一世,他:新規尿添加剤ユリメジャー・タブレットの生化学検査およびC-ペプチド検査への影響.医学検査 61:1002-1009,2012
3)白井秀明:汎用生化学自動分析装置を用いた尿量測定の基本性能.医学検査 57:921-925,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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