icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 一般検査

7 尿試験紙検査で将来の慢性腎臓病(CKD)は予測できますか?

著者: 井関邦敏1

所属機関: 1琉球大学医学部血液浄化療法部

ページ範囲:P.1202 - P.1203

文献購入ページに移動
1.CKD進展やCVD発症の危険因子

 蛋白尿およびアルブミン尿を呈する患者でCVD(cardiovascular diseas,冠動脈疾患,脳血管疾患,末梢血管病,心不全)などの頻度が高いことはフラミンガム研究などでも知られていた.2002年に米国のNKFよりK/DOQI(kidney diseases outcomes quality initiative)ガイドラインが発表され,慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)がCVDの危険因子であることがあらためて示され,続く2003年,AHAが循環器専門家の立場からKidney disease as a risk factor for development of cardiovascular diseaseと題するScientific Statementを発表した.その後,心腎連関に対する関心が高まり,CKD患者の大多数がESRD(end-stage renal disease)に至るまでにCVDの発症により死亡しており,またCKDは保存期の段階からCVDの危険因子となることが認識されるようになった.

 2009年のKDIGO(Kidney Disease:Improving Global Outcomes)カンファレンスにて約150万人に及ぶコホート調査のメタ解析により,腎機能の低下およびアルブミン尿の増加がそれぞれ独立したCVD発症,全死亡,透析導入の危険因子であることが証明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?