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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 一般検査

11 eGFRcreat,eGFRcysの使い分けについて教えてください

著者: 堀尾勝1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻

ページ範囲:P.1210 - P.1211

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1.血清Cr(Scr)値に基づく推算GFR(eGFRcreat)

 クレアチニンは主に筋肉に存在するクレアチンが非酵素的に代謝され,産生される.このためクレアチニン産生量は筋肉量の影響を受ける.推算式には年齢,性別が含まれ,高齢者,女性に由来する筋肉量の減少は平均的には補正されているが,四肢欠損など筋肉量の減少している症例ではScrは低めに,eGFRcreatは高めに,アスリートなど筋肉量の多い症例ではScrは高めに,eGFRcreatは低めに推算される.クレアチニンの尿細管からの分泌を阻害する薬物は腎機能と関係なくScrを増加させ,加熱調理後の肉類の摂取も肉類に含まれるクレアチニンのためScrは増加する.これらはeGFRcreatが低めに推算される要因となる.

参考文献

1)Horio M, Imai E, Yasuda Y, et al:Performance of serum cystatin C versus serum creatinine as a marker of glomerular filtration rate as measured by inulin renal clearance. Clin Exp Nephrol 15:868-876,2011
2)Horio M, Imai E, Yasuda Y, et al:GFR estimation using standardized serum cystatin C in Japan. Am J Kidney Dis 61:197-203,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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