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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 一般検査

14 便潜血陽性の有無を正しく判定するための,サンプリング,保存安定性,病態識別値について教えてください

著者: 加藤博之1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター検査科

ページ範囲:P.1216 - P.1217

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1.便潜血検査の意義

 便潜血検査は便中の血液を検出する方法で,現在日本ではヒトヘモグロビンに対する特異抗体を用いる免疫法が行われている.ヘモグロビンの抗原性は胃酸で低下するため,下部消化管からの出血の検出に適しており,主に大腸癌の検診に用いられている.2日間連続で採便する2日法を用いることが多い.

 大腸癌検診の有効性評価には,欧米で化学法による無作為割付比較対照試験(randomized clinical trial;RCT)が行われ,大腸癌の死亡率低下効果が証明された.その後,免疫法は化学法に勝るとの結果から日本では免疫法が採用されている.他の症例対照研究でも大腸癌の死亡率低下効果が証明されており,有効性評価に基づく大腸癌検診ガイドラインでも便潜血検査は推奨レベルAとされている.

参考文献

1)Hisamichi S, Fukao A, Fujii Y, et al:Mass screening for colorectal cancer in Japan. Cancer Detect Prev 15:351-356,1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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