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特集 はじめよう,検査説明 一般検査
15 蛋白漏出性胃腸症の糞便検査法について教えてください
著者: 芹澤宏1
所属機関: 1北里大学北里研究所病院胃腸センター
ページ範囲:P.1218 - P.1219
文献購入ページに移動1.α1-アンチトリプシンクリアランス試験
蛋白漏出性胃腸症は,血漿蛋白,特に分子量の小さいアルブミンや免疫グロブリンG(IgG)が消化管腔へ異常に漏出し,低蛋白血症,浮腫などを惹起する症候群である.消化管腔への蛋白漏出を証明するにはα1-アンチトリプシン(α1-AT)の血中から便中への移行を計算するα1-ATクリアランス試験が有用である.α1-ATはほぼアルブミンと同じ分子量約5万の糖蛋白で,主として肝臓で産生されるprotease inhibitorである.通常は消化管に分泌されず,消化管腔へ漏出しても消化酵素や細菌の影響を受けず抗原性をもったまま糞便に排出されるため,そのクリアランスが蛋白漏出の証明となる.
蛋白漏出性胃腸症は,血漿蛋白,特に分子量の小さいアルブミンや免疫グロブリンG(IgG)が消化管腔へ異常に漏出し,低蛋白血症,浮腫などを惹起する症候群である.消化管腔への蛋白漏出を証明するにはα1-アンチトリプシン(α1-AT)の血中から便中への移行を計算するα1-ATクリアランス試験が有用である.α1-ATはほぼアルブミンと同じ分子量約5万の糖蛋白で,主として肝臓で産生されるprotease inhibitorである.通常は消化管に分泌されず,消化管腔へ漏出しても消化酵素や細菌の影響を受けず抗原性をもったまま糞便に排出されるため,そのクリアランスが蛋白漏出の証明となる.
参考文献
1)佐藤宏和,三浦総一郎:糞便中α1-アンチトリプシン.日本臨牀 67(増刊号8):209-211,2009
2)坂田祐之,藤本一眞:吸収不良症候群,蛋白漏出性胃腸症.消化器診療ガイドライン第2版(高橋信一編),総合医学社,pp58-62,2011
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