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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 一般検査

16 髄液のoligoclonal bandはどのような機序で出現し,どのような意義がありますか?

著者: 中島一郎1

所属機関: 1東北大学病院神経内科

ページ範囲:P.1220 - P.1221

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1.oligoclonal bandの測定法

 髄液のOB(oligoclonal band)は,多発性硬化症(multiple sclerosis;MS)の診断に用いる場合に保険適用可能な検査であり,髄液と血清を等電点電気泳動した際に,髄液のみにみられるIgG(immunoglobulin G)の複数の染色バンドのことである.OBが陽性になるのは,髄液中でIgGが複数のクローナリティをもって増加する場合であり,典型的なMSで非常に高頻度に認められる.日本においては,従来両性担体を含まないアガロースゲルを用いた分離能の悪い単純な電気泳動によりIgGを分離していたため著しく感度が低く,陽性頻度が非常に低かったが,2006年以降等電点電気泳動法に免疫固定法を組み合わせた方法が普及し,日本人MSでも典型的タイプであれば70%以上の陽性頻度で認められるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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