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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 血液

4 破砕赤血球が何%あると有意な所見と言えますか?

著者: 土屋逹行1

所属機関: 1日本大学医学部病態病理学系臨床検査医学分野

ページ範囲:P.1232 - P.1233

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1.破砕赤血球とは

 破砕赤血球(schizocyte,red cell fragment)とは,循環血中で機械的な機序により破砕された赤血球断片である.主に微細血管における血栓形成によって破壊されるためとされ,血栓性微細血管性貧血(Thrombotic microangiopathic anemia;TMA)とも呼ばれる病態で認められる.末梢血中に塗抹標本で破砕赤血球が認められる代表的な場合は,DIC(播種性血管内凝固症候群),TTP(血栓性血小板減少性紫斑病),HUS(溶血性尿毒症症候群)などである.これらは赤血球破砕症候群(red cell fragamentation syndrome)と一括して呼ばれている.いずれも重篤な病態で生命の危険があるので迅速な診断が必要である.

 検査室からの破砕赤血球を認めるというコメントは,このような病態の診断,そして迅速な治療開始に非常に有用である.判定は臨床検査技師の目視によって行うので,血液塗抹標本を観察する臨床検査技師の技量が求められる検査でもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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