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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 血液

7 末梢血の白血球分類検査所見における偽性Pelger核異常とは,何を意味しますか?

著者: 野田幸代1

所属機関: 1川崎医科大学附属病院中央検査部

ページ範囲:P.1238 - P.1239

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1.家族性Pelger核異常(Pelger-Huët anomaly)

 核膜蛋白質であるラミンB受容体(Lamin B Receptor)遺伝子の変異により,顆粒球核の形態異常(低分節)を特徴とする,常染色体優性遺伝である.通常,健常人好中球の核は2~5分節で,3分節が最も多く認められる.しかし,本症では分節数が1~2分節と少なく,好酸球や好塩基球にも同様の形態異常を認める.約6,000人に1人の割合で発症するといわれ,ヘテロ接合体の好中球は2分節にとどまり,左右対称の眼鏡様にみえるものが多数認められる.ホモ接合体では核が全く分節せず,太い桿状あるいは類円形を呈するものが多く,好中球遊走能の低下が報告されている.核のクロマチン構造は正常に比して粗く,凝集が強いため結節状を呈する.診断のためには家族性に認められるかどうか検索が必要となる.

参考文献

1)朝長万左男,松田晃(編):不応性貧血(骨髄異形成症候群)の形態学的異形成に基づく診断確度区分と形態診断アトラス,2008(http://www.nanbyou.or.jp/pdf/mds.pdf)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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