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特集 はじめよう,検査説明 血液
12 なぜ凝固検査用採血は,クエン酸Naに対する血液量が厳密なのですか?
著者: 島津千里1
所属機関: 1帝京大学医学部附属病院中央検査部
ページ範囲:P.1248 - P.1249
文献購入ページに移動1.凝固反応にはCa2+が不可欠
凝固反応は,セリンプロテアーゼ凝固因子とその補助因子の複合体が未活性化因子を限定分解する連続的な活性化反応であり,カスケード凝固反応と呼ばれる.凝固機序には組織因子依存性に開始される外因系凝固系と,TF非依存性に開始される内因系凝固系がある.
凝固因子は血漿中では不活性型として存在しているが,凝固因子のアミノ酸のγカルボキシグルタミン酸残基にカルシウムイオン(Ca2+)が結合すると活性型に適した構造となり,Ca2+を介して凝固反応の場である陰性荷電リン脂質膜に結合できるようになり,凝固反応の増幅にCa2+は不可欠である.
凝固反応は,セリンプロテアーゼ凝固因子とその補助因子の複合体が未活性化因子を限定分解する連続的な活性化反応であり,カスケード凝固反応と呼ばれる.凝固機序には組織因子依存性に開始される外因系凝固系と,TF非依存性に開始される内因系凝固系がある.
凝固因子は血漿中では不活性型として存在しているが,凝固因子のアミノ酸のγカルボキシグルタミン酸残基にカルシウムイオン(Ca2+)が結合すると活性型に適した構造となり,Ca2+を介して凝固反応の場である陰性荷電リン脂質膜に結合できるようになり,凝固反応の増幅にCa2+は不可欠である.
参考文献
1)松田雅子,大西繁,神白和正,他:血液凝固検査における採血量の変化.医学検査 50:841-844,2001
2)成田厚子,青木和雄,半戸茂友,他:血液凝固検査における誤差要因について(第1報)検体の採取法による影響.医学検査 44:890-894,1995
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