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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 血液

14 患者の病態と一致しないFDP,あるいはD-dimerの異常高値は,どうして起こるのですか?

著者: 小宮山豊1

所属機関: 1関西医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.1252 - P.1253

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 病態と一致しないFDPとD-dimer(DD)の異常高値では,まず試料の希釈再現性を確認する.原倍では異常フラッグ,希釈による一定値などの情報から原因が推定できる.病態と不一致の検査値を医師に質問された場合,まず患者が重症(結果を急ぐ)か,質問医師がDICや血栓症の治療経験が豊富か,などで説明が異なる.若手が対象の際は,基礎から誤解させないよう問題点を探る.

 議論の基本は,以下の通りである.DDはFDPの一部で大小さまざまな混合体として存在し,測定に用いる抗体と標準品の値付けが各社異なる(図1).FDPとDDの会社が異なると(院内検査と外注検査),逆転の可能性がある.

参考文献

1)小宮山豊:臨床検査部で遭遇する凝固異常と検査の進め方 臨床現場を活かす凝固検査をめざして.日本検査血液学会雑誌 9:52-59,2008
2)吉賀正亨,小宮山豊,寺岡安津子,他:D-ダイマーの異常高値を認めた悪性黒色腫の1例.日本検査血液学会雑誌 8:307-311,2007
3)横井崇,森眞一郎,杉本博是,他:抗リン脂質抗体を伴った脾辺縁帯B細胞リンパ腫.臨床血液 45:1095-1099,2004
4)小宮山豊,吉賀正亨,高橋伯夫:凝固スクリーニング検査異常に対する解析と臨床への情報提供.臨床病理 53:514-521,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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