文献詳細
文献概要
特集 はじめよう,検査説明 化学
10 深夜に採取した血糖検査用検体の保存方法を教えてください
著者: 菅野光俊1 新井慎平1
所属機関: 1信州大学医学部附属病院臨床検査部
ページ範囲:P.1274 - P.1275
文献購入ページに移動血糖検査用採血管には抗凝固剤としてEDTA-2NaとヘパリンNaが使用され,解糖阻止剤としてフッ化ナトリウム(NaF)が添加されているものが一般的に用いられている.EDTA-2Naは血液凝固反応に必要なCaイオンをキレート除去し,ヘパリンNaはトロンビンの作用を阻害することで血液が凝固することを抑える.一方,NaFは解糖系酵素のうちエノラーゼの働きを阻害して,採血管内での解糖系進行に伴うグルコース値の低下を防止する作用がある.
この他,ヘパリンNaの代わりにクエン酸とクエン酸Naが添加された採血管も市販されている.クエン酸とクエン酸Naは,血中pHを下げ解糖系酵素全体の作用を低下させることができる.また,D-マンノース(DM)はグルコースの競合阻害剤となることから有効な解糖阻止剤として検討されている.
参考文献
掲載誌情報