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雑誌詳細

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 免疫

12 IgG4の検査方法と結果の考え方を教えてください

著者: 亀子光明1

所属機関: 1群馬パース大学保健科学部検査技術学科

ページ範囲:P.1314 - P.1315

1.IgG4の検査法とその測定目的

 現在,IgG4測定は,専用の分析装置を用いて免疫比朧法によって測定され1),自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis;AIP)と膵癌の鑑別に用いられる.IgG4測定に関する記載は,「自己免疫性膵炎臨床診断基準2006」に示され,最新版の「自己免疫性膵炎臨床診断基準2011」ではガイドラインとして示されており2),IgG4の値が135mg/dL以上であれば,AIPの可能性が高いとされる.IgG4が高値を示した場合,AIPの可能性は80%程度であり,特異度も98%とされるが3),膵癌でもIgG4は上昇するので,膵癌を否定することはできない.余談ではあるが,小説「神のカルテ3(夏川早介著)」の中で,AIPを膵癌として手術したという記述がある.それだけ当時は,AIPの鑑別は難しかったものと思われる.

参考文献

1)亀子光明,北村弘文,川茂幸,他:ネフロメトリー法によるIgG4測定法の基礎的検討と臨床的意義.臨床病理 58:393-369,2010
2)日本膵臓学会・厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班:報告 自己免疫性膵炎臨床診断基準2011.膵臓 27:17-25,2012
3)川茂幸,浜野英明:自己免疫性膵炎臨床診断基準2006の解説.膵臓 22:641-645,2007

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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