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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 感染症

7 喀痰の抗酸菌塗抹検査で,抗酸菌陽性という報告を受けました.結核と診断してよいですか?

著者: 上遠野保裕1

所属機関: 1慶應義塾大学病院中央臨床検査部微生物検査室

ページ範囲:P.1340 - P.1341

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 臨床材料から分離される抗酸菌は大きく結核菌群と非結核性抗酸菌に分けることができ,それらのなかにはさらに表1に示すようないくつかの抗酸菌が含まれている1).これらは抗酸菌の塗抹検査法である蛍光染色やチール・ネルゼン染色では同様な染色所見となり,区別することはできない.したがって,塗抹検査で抗酸菌陽性との報告があっても,この検査の結果のみで結核菌と同定することはできず,結核と診断することもできない.また,染色性は異なるがRhodococcusやNocardiaといった抗酸菌以外にも抗酸性を示す細菌もいるので注意が必要である.

 塗抹検査が陽性となって,それが結核菌であると鑑別するためには,検査材料から直接検出・同定できる遺伝子検査が有効である.

参考文献

1)日本結核病学会抗酸菌検査法検討委員会(編):結核菌検査指針2007.結核予防会,p52表5-1,p82表6-3,2007
2)小栗豊子:抗酸菌検査のポイント─結核菌検査指針2007を中心に.臨床検査 52:1097-1103,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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