icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 感染症

10 大動脈弁置換術術後の患者が術後10日目に発熱し,血中β-Dグルカンの上昇が認められた場合,真菌感染症と考えてよいですか?

著者: 上蓑義典1 細川直登1

所属機関: 1亀田総合病院総合診療・感染症科

ページ範囲:P.1346 - P.1347

文献購入ページに移動
1.(1→3)-β-D-グルカン

 (1→3)-β-D-グルカン(以下,β-Dグルカン)は,Pneumocystis jiroveciiを含む多くの真菌の細胞壁構成成分である.β-Dグルカンは,1995年わが国で侵襲性真菌感染症(invasive fungal infection;IFI)の検査法として開発された.測定原理としては,カブトガニの血液凝固反応において,β-DグルカンがG因子を活性化し凝固を促進させることを利用し,血中のβ-Dグルカン濃度を測定する.なお,ムコール属やクリプトコッカス属では,β-Dグルカンを含まないので上昇せず偽陰性となる1)

参考文献

1)吉田耕一郎,小司久志,二木芳人:(1→3)-β-D-グルカン測定の問題点と進歩.Jpn J Med Mycol 49:75-80,2008
2)Karageorgopoulos DE, Vouloumanou EK, Ntziora F, et al:β-D-glucan assay for the diagnosis of invasive fungal infections: a meta-analysis. Clin Infect Dis 52:750-770,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?