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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 感染症

15 腹痛,下痢,血便の患者から,腸管出血性大腸菌が検出されたとの報告を受けました.保健所に届出は必要ですか?

著者: 奥住捷子1

所属機関: 1獨協医科大学病院感染制御センター

ページ範囲:P.1356 - P.1357

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1.ベロ毒素産生検査

 ベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌感染症は,3類感染症で法的に届出が必要である.しかし,この質問では,検出菌のベロ毒素について記述がない.ベロ毒素検査ができないのか,ベロ毒素の検査結果が不明なのか,判然としないため,報告を受けた担当医は,検査室に検出菌のベロ毒素産生の有無について事実確認を行い,その産生が認められた場合,直ちに保健所に届出る.

 一方,ベロ毒素産生検査ができない検査室では,至急,所轄保健所に相談する.検査室は,検出菌株を保管しておく.保健所職員が,搬送用具を持参のうえ,検出菌株を引き取りに来る.保健所あるいは地方衛生研究所では検出菌株からベロ毒素保有の確認試験を実施する.ベロ毒素検査結果が,陽性との回答を得次第,担当医は腸管出血性大腸菌感染症の届出様式に記載し,FAXなどで随時(休日,夜間にかかわらず)保健所に届出を行う.FAXした届出用紙は,正式書類として別途保健所に郵送する.医療機関によっては,担当医は届出用紙に各種該当項目を記入し,以降の諸手続きなどは担当係や事務担当者が実務を行う場合が多い.

参考文献

腸管出血性大腸菌(EHEC)検査・診断マニュアル(平成24年6月改訂)は,http://www.nih.go.jp/niid/images/lab-manual/EHEC.pdfでみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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