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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 病理・細胞診

6 尿細胞診で疑陽性の判定は,悪性疑いと考えたほうがよいですか?

著者: 今井律子1

所属機関: 1東海市民病院臨床検査科

ページ範囲:P.1372 - P.1373

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1.尿細胞診の役割

 尿細胞診の役割は,尿中に出現する腫瘍細胞,特に頻度の高い尿路上皮癌細胞の有無や異型度を正しく診断することにある.なかでも尿路上皮内癌は,画像や内視鏡での診断が困難といわれるのに尿中には多数の癌細胞が認められることが多いので,その役割は大きい.また尿路上皮癌の治療後の経過観察や上部尿路上皮癌の診断にも用いられており,特にカテーテル尿細胞診は最終診断法としての価値が高い.一方,上部尿路上皮癌細胞の自然尿中への出現率は高く,自然尿細胞診が上部尿路上皮癌の発見の契機になることもあり,この点での役割も軽視できない.さらに,発生頻度の低い腺癌,扁平上皮癌,小細胞癌などに由来する細胞も診断が可能であり,尿細胞診は尿路の腫瘍診断のために欠かせない方法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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