icon fsr

雑誌詳細

文献概要

特集 はじめよう,検査説明 病理・細胞診

11 腎生検の際,糸球体を蛍光染色,電顕および光顕用に的確に切り分けたいのですが,どうしたらよいですか?

著者: 中澤久美子1

所属機関: 1山梨大学医学部附属病院病理部

ページ範囲:P.1382 - P.1383

1.腎生検の実際

 腎生検は,蛋白尿・血尿・腎機能低下など腎臓疾患の患者において,病気の予後推定や適切な治療方針を決定するために非常に重要で,不可欠な検査法の1つである.一般的に,腎生検には超音波ガイド下や透視下での経皮的腎生検と,手術室を利用した開放的腎生検とがあるが,多くの施設では前者の経皮的腎生検が行われている.

 腎生検で採取される組織片は,16Gか18Gの太さで1~2cmの長さの組織片が2本か3本である.標本に含まれる糸球体や細動脈,小動脈の数が多いほど診断精度は向上する.その限られた組織片から最大限の情報を引き出すため,採取された生検材料から糸球体を光学顕微鏡用,蛍光抗体法用,電子顕微鏡用にそれぞれ分ける必要がある.

参考文献

1)湯村和子:臨床のための腎病理─標本作製から鑑別診断まで,日本医事新報社,2010
2)両角國男:腎生検ガイドブック.日本腎臓学会誌 47:775-782,2005

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?