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今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
東京都衛生検査所における外部精度管理の現状と課題
著者: 新井冨生1 落合和彦2 三栗谷久敏3 大石向江3 佐々木由紀子3 草野友子3 小林千種3 佐藤かな子3 住友眞佐美3 高木康4
所属機関: 1東京都健康長寿医療センター病理診断科 2東京慈恵会医科大学葛飾医療センター産婦人科 3東京都健康安全研究センター精度管理室 4昭和大学医学部卒後臨床研修センター
ページ範囲:P.1567 - P.1574
文献購入ページに移動■都内に登録されている衛生検査所で,病理組織検査は年間約94万件(約70%が消化管の検体),細胞診は年間約257万件(約90%は子宮頸部,子宮内膜,喀痰の検体)が取り扱われている.検体数はここ数年増加傾向にある.
■東京都の精度管理事業の成果は,検体の取り扱い,標本作製,報告様式などで改善がみられるとともに,検査所の労働環境の改善,ダブルチェック体制の構築の推進,事務処理のデジタル化,人員充足率の改善などの形で現れている.
■病理組織検査における課題は,精度管理内容がアンケート調査に偏り,実際の標本の精度管理に至っていない点である.さらに,新しく登場した分子標的薬の適応を決める免疫染色検査の精度管理にも対応していないことなどが挙げられる.
■細胞診に関しては,細胞診専門医と細胞検査士の人的不足は年々緩和されているが,パートによる夜間業務に依存している施設も見受けられ,細胞検査士と専門医の十分なコミュニケーションがとれる体制作りが課題である.
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