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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻13号

2013年12月発行

文献概要

今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

Burkittリンパ腫

著者: 日下拓1 田中由美子1 宮地勇人2

所属機関: 1東海大学医学部付属病院臨床検査技術科 2東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学

ページ範囲:P.1600 - P.1606

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■Burkittリンパ腫(BL)は染色体8q24に位置するMYCと免疫グロブリン(IgHまたはIgL)遺伝子との相互転座に起因する成熟B細胞リンパ腫で,臨床的特徴から風土病型/地域病型,散発型,免疫不全型の3型に分類される.

■BLの腫瘍細胞の特徴はサイズが中等大で均一性があり,核は円形~楕円形でやや大きな核小体を有することである.核クロマチンは微細顆粒状で均一である.細胞質は好塩基性で特徴的な抜き打ち状空胞が目立ち,核分裂像も散見される.

■BLの診断基準は典型的な形態・細胞表面マーカー・遺伝子異常が全てそろったものである.

■末梢血や骨髄に出現するBL細胞と鑑別を要する疾患には,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL),DLBCLとBLの中間型特徴を有する分類不能B細胞リンパ腫(intermediate DLBCL/BL),B細胞性急性リンパ性白血病,Ewing肉腫などが挙げられる.

参考文献

1)渡辺隆:リンパ系腫瘍の臨床 B細胞リンパ腫 バーキットリンパ腫の診断と治療.造血器腫瘍学─基礎と臨床の最新研究動向.日本臨牀 70(増刊2):514-517,2012
2)飛内賢正(編):よくわかる悪性リンパ腫のすべて,永井書店,pp193-198,2008
3)厚生労働省医薬食品局安全対策課:重篤副作用疾患別対応マニュアル 腫瘍崩壊症候群,厚生労働省,2011(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000013qef-att/2r98520000013r8d.pdf)
4)宮内潤,泉二登志子(編):骨髄疾患診断アトラス─骨髄形態と骨髄病理,中外医学社,pp232-233,2010
5)押味和夫(監):WHO分類第4版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学(木崎昌弘,田丸淳一編),中外医学社,pp297-302,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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