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表紙の裏話
好塩基球のルネサンス
著者: 吉川宗一郎1 堀口華代1
所属機関: 1東京医科歯科大学医歯薬学総合研究科免疫アレルギー学分野
ページ範囲:P.1546 - P.1546
文献購入ページに移動 免疫学は,白血球をさまざまな手法により分画化し,新たな免疫細胞を同定・解析することで飛躍的に発展してきた.分画化するための最も古典的な方法は,塗沫標本をアニリン色素によって染色するもので,19世紀の終わりにPaul Ehrlichによって開発され,これにより数種類の免疫細胞が同定された.このとき発見された免疫細胞が,筆者の現在の研究テーマである“好塩基球”である.
血液検査では必ずといっていいほどお目見えする“好塩基球”であるが,実際その細胞をよく知らない(もしくは存在自体も知らない!)読者がほとんどではないだろうか.それもそのはず,免疫細胞のなかでも非常に数が少なく,ほかの細胞と特徴に大きな違いが見いだせなかったことが災いし,つい最近までいったい何をしている細胞なのかほとんどわかっていなかったのである.
血液検査では必ずといっていいほどお目見えする“好塩基球”であるが,実際その細胞をよく知らない(もしくは存在自体も知らない!)読者がほとんどではないだろうか.それもそのはず,免疫細胞のなかでも非常に数が少なく,ほかの細胞と特徴に大きな違いが見いだせなかったことが災いし,つい最近までいったい何をしている細胞なのかほとんどわかっていなかったのである.
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