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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻4号

2013年04月発行

文献概要

今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

非アルコール性脂肪性肝疾患の病理診断

著者: 橋本悦子1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.421 - P.426

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■脂肪肝は,大きくアルコール性と非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に分類され,NAFLDは単純脂肪肝と,適切な治療介入がなければ肝硬変や肝細胞癌に進行する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)からなる.

■NAFLDの診断基準は,①非飲酒者(少量飲酒者は含まれる),②肝組織あるいは画像診断での脂肪肝の診断,③他の原因による肝疾患の除外である.

■単純脂肪肝は大脂肪滴を中心とする脂肪沈着を示し,NASHの病理診断基準は,①大滴性脂肪沈着,②炎症性細胞浸潤,③肝細胞の風船様変性である.

■NAFLDの病理診断分類は,線維化(Staging)と活動性(Grading:脂肪沈着,肝細胞の風船様変性,炎症性細胞浸潤)からなる.

参考文献

1)岡上武,田村信司,橋本悦子,他:NASH・NAFLDの診療ガイド2010(日本肝臓学会編),文光堂,2010
2)橋本悦子:非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の病因・病態・治療.日本医事新報 4491:49-53,2010
3)Matteoni CA, Younossi ZM, Gramlich T, et al:Nonalcoholic fatty liver disease:A spectrum of clinical and pathological severity. Gastroenterology 116:1413-1419,1999
4)Kleiner DE, Brunt EM, Van Natta M, et al:Design and validation of a histological scoring system for nonalcoholic fatty liver disease. Hepatology 41:1313-1321,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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