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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻6号

2013年06月発行

文献概要

表紙の裏話

微細形態からわかる神経細胞の機能

著者: 守屋敬子1

所属機関: 1東京都医学総合研究所こどもの脳プロジェクト

ページ範囲:P.602 - P.602

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 ニューロンは,それぞれが属している脳の部位が機能するのに適した形をしている.今月の表紙にデザインされたニューロンは,嗅球にある顆粒細胞と呼ばれる抑制性の介在ニューロンである(“嗅球”と言っても,正確には匂い情報を処理する主嗅球ではなく,フェロモン情報を処理する副嗅球のニューロンである.どちらの嗅球にも同じような顆粒細胞が存在するため,ここでは“嗅球の顆粒細胞”と表現する).

 提供した画像は,生後すぐのラット嗅球を材料とした,初代分散培養のニューロンである.分散培養を行うと脳の層構造がもつ機能は失われるが,一度分化の方向性が定まったニューロンの基本的な性質は変わらない.そのため,ニューロン自体の性質を解析する目的で使われる.この培養シャーレ中には,ニューロンのほかグリアなど複数種の細胞がひしめき合って存在するが,単一細胞のみに蛍光蛋白質を発現させると,その形態の細部まで確認することができ,単一細胞の経時的イメージングが可能となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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