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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻7号

2013年07月発行

文献概要

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて

固形腫瘍関連検査

著者: 前川真人1

所属機関: 1浜松医科大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.720 - P.725

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■悪性腫瘍遺伝子検査などの名目で保険収載され,上限が2,000点となっていたが,2012年度には2,000点の壁は突破した.

■分子標的薬の開発とともに,その薬剤の有効性を予測するためにコンパニオン診断が多く行われるようになってきた.

■代表的なコンパニオン診断としての上皮成長因子受容体(EGFR)とK-rasについても多くの検査法があり,キット化された試薬も開発されてきた.しかしながら,それぞれ感度や特性が異なるため,それらを理解したうえで使用するべきである.

■試料の採取から核酸抽出など分析前因子の重要性も忘れてはならず,日本臨床検査標準協議会(JCCLS)の他,SPIDIAなど海外の情報も参考にして,分析前,分析,分析後の工程をそれぞれ標準化していくことが望まれる.

参考文献

1)日本衛生検査所協会遺伝子検査受託倫理審査委員会:第6回遺伝子・染色体検査アンケート調査報告書,2011(http://www.jrcla.or.jp/info/info/231226a.pdf)
2)Pao W, Ladanyi M:Epidermal growth factor receptor mutation testing in lung cancer: searching for the ideal method. Clin Cancer Res 13:4954-4955,2007
3)日本肺癌学会:肺癌患者におけるEGFR遺伝子変異検査の解説,2009(http://www.haigan.gr.jp/uploads/photos/148.pdf)
4)Van Cutsem E, Köhne CH, Hitre E, et al:Cetuximab and chemotherapy as initial treatment for metastatic colorectal cancer. N Engl J Med 360:1408-1417,2009
5)De Roock W, Jonker DJ, Di Nicolantonio F, et al:Association of KRAS p. G13D mutation with outcome in patients with chemotherapy-refractory metastatic colorectal cancer treated with cetuximab. JAMA 304:1812-1820,2010
6)日本臨床検査標準協議会(JCCLS)遺伝子関連検査標準化専門委員会:遺伝子関連検査 検体品質管理マニュアル Approved Guideline(承認文書),JCCLS,2011
7)日本臨床検査標準協議会:機械システム振興協会委託事業 平成22年度報告書「遺伝子関連検査に係る検体品質管理技術の開発に関するフィージビリティスタディ」,2011(http://www.jccls.org/active/trust/22_wg2.pdf)
8)畑中豊,西尾和人,松野吉宏:コンパニオン診断と病理.病理と臨床 30:1300-1308,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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