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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻7号

2013年07月発行

文献概要

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて

生殖細胞系列遺伝子検査(遺伝学的検査)

著者: 大林光念1 安東由喜雄2

所属機関: 1熊本大学医学部附属病院中央検査部アミロイドーシス診療体制構築事業 2熊本大学大学院生命科学研究部神経内科学分野

ページ範囲:P.738 - P.743

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■生殖細胞系列遺伝子検査(遺伝学的検査)とは,一生変化しないヒトの遺伝子変異,あるいは多型に関する検査を指す.

■本検査では,“次世代に伝わる個人の遺伝情報”を扱うことから,その適用には特別な配慮をもち,より厳重な遺伝情報の保護と管理が必要である.また,“検出感度より特異性,正確さ”に重きが置かれる検査であることもその特徴の1つである.

■“次世代に伝わる個人の遺伝情報”を扱うという本質に加え,稀少疾患が多く,その“ニーズに多様性がある”こと,あるいは“コントロール物質の調達が難しい”ことを考えると,遺伝学的検査の標準化に向けた課題は多い.しかし,検体の採取をはじめ,DNAの抽出法やPCR法,あるいはシークエンス技術など,比較的汎用されている技術を基盤にして,遺伝学的検査の標準化を続けていく必要がある.

参考文献

1)曽根美智子,上野一郎,宮西節子,他:染色体遺伝子検査標準化のガイドライン2010.日本染色体遺伝子検査学会雑誌 28:135-161,2010
2)柊中智恵子,安東由喜雄:家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)の遺伝子診断ガイドライン作成に向けて.熊本大学医学部保健学科紀要 5:79-90,2009
3)Ando Y, Ueda M:Diagnosis and therapeutic approaches to transthyretin amyloidosis. Curr Med Chem 19:2312-2323,2012
4)Ueda M, Misumi Y, Mizuguchi M, et al:SELDI-TOF mass spectrometry evaluation of variant transthyretins for diagnosis and pathogenesis of familial amyloidotic polyneuropathy. Clin Chem 55:1223-1227,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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