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文献詳細

雑誌文献

臨床検査57巻7号

2013年07月発行

文献概要

研究

試験紙法によるpH測定におけるアルブミンの影響

著者: 小林臣1 鈴木優治2

所属機関: 1埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科検査技術科学 2埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科

ページ範囲:P.813 - P.817

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 市販のpH試験紙8種類を用いて血清アルブミンにより生じる測定誤差について検討した.アルブミンにより生じる測定誤差には方向性が認められ,TB,BPB,BCG,MR,CR,AZY,ALBは正誤差を,BTBは負誤差を示すことが分かった.測定誤差の大きさはアルブミン濃度に比例し,測定pHおよびpH指示薬の種類により異なる.測定誤差の大きさとpH指示薬の分子構造に特別な関係は見いだせなかった.

参考文献

1)稲垣勇夫:尿pH,尿比重.Medical Technology 9:131-139,1981
2)吉村寿人,松下寛,森本武利:新版pHの理論と測定法,丸善出版,pp35-38,1968
3)Doumas BT, Watson WA, Biggs HG:Albumin standards and the measurement of serum albumin with bromcresol green. Clin Chim Acta 31:87-96,1971
4)岡村研太郎:ブロムクレゾールパープルを用いる血清アルブミンの定量.臨床検査 18:646-650,1974
5)Lepper EH, Martin CJ:The Protein Error in Estimating pH with Neutral Red and Phenol Red. Biochem J 21:356-361,1927
6)鈴木優治:試験紙法による尿pH測定における蛋白質により生じる測定誤差.医学検査 61:357-365,2012
7)鈴木優治:試験紙法による尿pH測定のタンパク誤差に関する理論的解析.分析化学 61:885-892,2012
8)鈴木優治:pH試験紙におけるタンパク誤差の方向性に関する考察.分析化学 62:159-166,2013
9)長島弘三,富田功:分析化学,裳華房,pp162-163,1985

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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