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今月の特集2 輸血関連副作用
輸血関連副作用の最近の考え方
著者: 田崎哲典1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院輸血部
ページ範囲:P.870 - P.875
文献購入ページに移動■近年,輸血関連急性肺障害(TRALI)などの免疫学的な副作用の重要性が強調されているが,新興感染症も含め,血液製剤に潜む微生物の伝播が重要な問題であることに変わりはない.
■輸血は必要最少量とすべきであるが,その前に,輸血をしないという選択肢を再考すべきである.
■ヘモビジランスによる輸血関連副作用の情報の共有化は,再発や拡大防止に有効と考えられているが,さらに輸血医療全般の改善にもつながると期待されている.
■生物由来製品による被害は完全には防ぎえず,生物由来製品感染等被害救済制度で補償されるが,適正使用が救済の条件であることを認識すべきである.
■輸血は必要最少量とすべきであるが,その前に,輸血をしないという選択肢を再考すべきである.
■ヘモビジランスによる輸血関連副作用の情報の共有化は,再発や拡大防止に有効と考えられているが,さらに輸血医療全般の改善にもつながると期待されている.
■生物由来製品による被害は完全には防ぎえず,生物由来製品感染等被害救済制度で補償されるが,適正使用が救済の条件であることを認識すべきである.
参考文献
1)Odaka C, Kato H, Otsubo H, et al:Online reporting system for transfusion-related adverse events to enhance recipient haemovigilance in Japan: a pilot study. Transfus Apher Sci 48:95-102,2013
2)藤井康彦,松崎道男,宮田茂樹,他:ABO型不適合輸血の発生原因による解析.日本輸血細胞治療学会誌 53:374-382,2007
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4)Carson JL, Grossman BJ, Kleinman S, et al:Red blood cell transfusion: a clinical practice guideline from the AABB*. Ann Intern Med 157:49-58,2012
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6)Wu WC, Rathore SS, Wang Y, et al:Blood transfusion in elderly patients with acute myocardial infarction. N Engl J Med 345:1230-1236,2001
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