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文献概要
今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
腎領域
著者: 木村秀樹1
所属機関: 1福井大学医学部附属病院 検査部・腎臓内科
ページ範囲:P.13 - P.17
文献購入ページに移動●慢性腎臓病(CKD)の診断基準と重症度分類には尿蛋白/クレアチニン(Cr)比,尿アルブミン/Cr比(ACR)と血清Cr,血清シスタチンC(Cys-C)を用いた推算糸球体濾過量が使用されている.
●血尿に関しては,糸球体型血尿,非糸球体型血尿の判別が重要であり,前者では内科的腎疾患,後者では泌尿器科的腎疾患の精査を進める.
●IgA腎症は腎組織診断が必須であるが,持続的血尿と蛋白尿に加えて血清IgAが高値であればIgA腎症を強く疑うことができる.
●血清中の抗好中球細胞質抗体(ANCA)と抗糸球体基底膜(GBM)抗体の陽性所見は,急速進行性糸球体腎炎(RPGN)の迅速な病理診断と治療につながり,疾患活動性の指標にもなる.
●血尿に関しては,糸球体型血尿,非糸球体型血尿の判別が重要であり,前者では内科的腎疾患,後者では泌尿器科的腎疾患の精査を進める.
●IgA腎症は腎組織診断が必須であるが,持続的血尿と蛋白尿に加えて血清IgAが高値であればIgA腎症を強く疑うことができる.
●血清中の抗好中球細胞質抗体(ANCA)と抗糸球体基底膜(GBM)抗体の陽性所見は,急速進行性糸球体腎炎(RPGN)の迅速な病理診断と治療につながり,疾患活動性の指標にもなる.
参考文献
1)日本腎臓学会(編):CKD診療ガイド2012,東京医学社,2012
2)Levey AS, de Jong PE, Coresh J, et al:The definition, classification, and prognosis of chronic kidney disease: a KDIGO Controversies Conference report. Kidney Int 80:17-28,2011
3)厚生労働科学研究費補助金腎疾患対策研究事業:CKDの早期発見,予防,治療標準化,進展阻止に関する調査研究 平成21-23年度総合研究報告書,pp2-28,2012
4)血尿診断ガイドライン編集委員会(編):血尿診断ガイドライン2013,ライフサイエンス出版,2013
5)進行性腎障害に関する調査研究班IgA腎症分科会:IgA腎症診療指針 第3版.日本腎臓学会誌 53:123-135,2011
6)厚生労働省特定疾患進行性腎障害に関する調査研究班:急速進行性腎炎症候群の診療指針 第2版.日本腎臓学会誌 53:509-555,2011
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