文献詳細
文献概要
今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
小児・泌尿生殖器領域
著者: 鯉渕晴美1
所属機関: 1自治医科大学 臨床検査医学
ページ範囲:P.67 - P.72
文献購入ページに移動●食物アレルギーの診断において,特異的IgE抗体検査が簡便なため頻繁に行われている.しかし,本検査が陽性であることは必ずしも症状惹起を意味しない.
●小児細菌性髄膜炎においては,年齢によって頻度の高い起因菌が異なる.
●細菌性髄膜炎を疑ったらすぐに抗菌薬による治療を開始しなくてはならないので,迅速な検査が求められる.
●前立腺癌診断には直腸診,血清前立腺特異抗原(PSA)測定が重要である.
●PSA基準値の設定については議論されているところである.
●子宮頸がん検診において,ヒトパピローマウイルス(HPV)検査による死亡率低下効果や浸潤癌罹患率低下効果はいずれも報告がない.
●子宮頸がん検診において,HPV検査は細胞診と比較して,感度は高いが特異度が低い.
●小児細菌性髄膜炎においては,年齢によって頻度の高い起因菌が異なる.
●細菌性髄膜炎を疑ったらすぐに抗菌薬による治療を開始しなくてはならないので,迅速な検査が求められる.
●前立腺癌診断には直腸診,血清前立腺特異抗原(PSA)測定が重要である.
●PSA基準値の設定については議論されているところである.
●子宮頸がん検診において,ヒトパピローマウイルス(HPV)検査による死亡率低下効果や浸潤癌罹患率低下効果はいずれも報告がない.
●子宮頸がん検診において,HPV検査は細胞診と比較して,感度は高いが特異度が低い.
参考文献
1)日本小児アレルギー学会:小児アレルギー疾患総合ガイドライン2011,協和企画,2011
2)長尾みずほ,藤澤隆夫:In vitro検査の有用性.小児内科 44:2041-2045,2012
3)細菌性髄膜炎の診療ガイドライン作成委員会(編):細菌性髄膜炎の診療ガイドライン(日本神経治療学会,日本神経学会,日本神経感染症学会監修),医学書院,2007
4)坂田宏:細菌性髄膜炎の診療ガイドライン(2007)の要点.小児内科 44:1082-1085,2012
5)日本耳科学会,日本小児耳鼻咽喉科学会,日本耳鼻咽喉科感染症研究会(編):小児急性中耳炎診療ガイドライン2009年版,金原出版,2009
6)日本泌尿器科学会(編):前立腺癌診療ガイドライン2012年版,金原出版,2012
7)平成20年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班,平成21年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の評価とあり方に関する研究」班:有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン,国立がん研究センター,2009(http://canscreen. ncc. go. jp/pdf/guideline/shikyukei-full0912.pdf)
掲載誌情報