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異常値をひもとく・14
アポE異常の発見
著者: 山村卓1
所属機関: 1佛教大学 保健医療技術学部
ページ範囲:P.261 - P.270
文献購入ページに移動はじめに
アポリポ蛋白(以下,アポ蛋白)は血中の脂質蛋白複合体であるリポ蛋白の蛋白質成分で,いくつかの種類が存在する.血清リポ蛋白の代謝には,脂質代謝酵素,脂質転送蛋白,リポ蛋白受容体などが関連しているが,アポ蛋白も重要な機能を果たしている.これらの異常はリポ蛋白の代謝を乱し,脂質異常症の原因となる.
アポ蛋白のなかでも,アポEはリポ蛋白受容体のリガンドとして,血清リポ蛋白代謝に重要な機能を果たしている.さらに,アポEは一般人口中にアポE対立遺伝子に基づく3種類のアイソフォームが存在し,それぞれリポ蛋白代謝における意義が異なっている.これに伴う遺伝性高リポ蛋白血症の代表的疾患が,家族性Ⅲ型高脂血症である.
本稿では,アポE異常に基づく家族性Ⅲ型高脂血症の病態とその診断を中心に,アポE異常について述べることにする.
アポリポ蛋白(以下,アポ蛋白)は血中の脂質蛋白複合体であるリポ蛋白の蛋白質成分で,いくつかの種類が存在する.血清リポ蛋白の代謝には,脂質代謝酵素,脂質転送蛋白,リポ蛋白受容体などが関連しているが,アポ蛋白も重要な機能を果たしている.これらの異常はリポ蛋白の代謝を乱し,脂質異常症の原因となる.
アポ蛋白のなかでも,アポEはリポ蛋白受容体のリガンドとして,血清リポ蛋白代謝に重要な機能を果たしている.さらに,アポEは一般人口中にアポE対立遺伝子に基づく3種類のアイソフォームが存在し,それぞれリポ蛋白代謝における意義が異なっている.これに伴う遺伝性高リポ蛋白血症の代表的疾患が,家族性Ⅲ型高脂血症である.
本稿では,アポE異常に基づく家族性Ⅲ型高脂血症の病態とその診断を中心に,アポE異常について述べることにする.
参考文献
1)山村卓:Ⅲ型高リポ蛋白血症.最新内科学体系第9巻高脂血症・低脂血症(東野一彌,山本章,専門編集),中山書店,pp82-98,1995
2)日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版,日本動脈硬化学会,2012
3)山村卓,石神眞人:リポ蛋白・脂質研究の最前線 レムナント代謝研究の最前線.臨床病理 56:613-621,2010
4)山村卓:レムナントリポ蛋白(RLP-C・RemL-C).Medical Technology 38:1341-1346,2010
5)山下静也,石神眞人:メタボリードRemL-C試薬によるレムナント/TG比,レムナント/nonHDL-C比測定の有用性.医学と薬学 59:429-437,2008
6)山村卓:脂質代謝関連遺伝子診断:アポE.臨床検査 44:1101-1107,2000
7)酒井尚彦:アポB48.内分泌・糖尿病科 22:357-363,2006
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